「お金の勉強って、何から始めればいいの?」
社会人になってから、そんな疑問を抱いたことはありませんか?
実は日本では、学校でお金のことを本格的に教わる機会がほとんどありません。
その結果、大人になっても「貯金の正しいやり方がわからない」「投資は怖そうで手が出せない」「稼ぐってどういうこと?」といった“お金の教養不足”に悩む人が非常に多いのです。
2023年の「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会)では、30〜40代の単身世帯のおよそ4割が「貯金ゼロ」と回答しています。さらに、将来の年金受給額だけでは生活費が不足するという試算もあり、今のうちから“自分でお金を守り、増やす”力が求められる時代に突入しています。
そこでこの記事では、お金の知識がまったくない初心者でもわかるように、
- お金の正体とは?
- なぜ貯金が大切なのか
- 投資って本当に危険なの?
- 稼ぐ力はどうやって育てるの?
といった基本を、わかりやすく丁寧に解説していきます。
「お金の勉強を今から始めたい」と思っている方にとって、最初の一歩となる内容をまとめていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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第1章|お金ってそもそも何?初心者が最初に知っておくべき“お金の本質”
お金の勉強を始めるうえで、最初に理解しておきたいのが「そもそもお金とは何か?」という基本的な問いです。
私たちは普段、1万円札や500円玉、スマホ決済などを使って買い物をしていますが、それらはすべてお金の“形”であって、本質ではありません。
では、お金の本質とは何なのでしょうか?
■ お金の本質は「価値を交換するための道具」
もともとお金が存在しなかった時代、人々は“物々交換”で生活していました。
たとえば、
- 漁師が獲った魚と、農家の野菜を交換する
- 靴職人が作った靴と、木こりが切った薪を交換する
というふうに、お互いが欲しいモノを直接交換していたのです。
しかしこの方法には大きな問題がありました。
それは、「欲しいもの同士が一致しないと交換できない」ということです。
魚はあるけど相手はいらない。相手は靴が欲しいけど自分は靴を持っていない。こうなると取引が成立しません。
そこで生まれたのが、「誰もが共通して価値があると信じる“お金”という道具」です。
■ お金は「信用」があるから価値を持っている
1万円札は、ただの紙切れです。でも、私たちがその紙に価値を感じるのは、「国が保証している」「どのお店でも使える」といった“信用”があるからです。
この「信用」によって、私たちは商品を買ったり、サービスを受けたり、誰かに報酬を支払ったりすることができます。
つまり、お金の本質は「モノとモノ、価値と価値をスムーズに交換するための、社会的な信用の道具」なのです。
■ キャッシュレス時代でも本質は変わらない
近年では、現金よりも「電子マネー」や「スマホ決済」を使う人が増えています。
ですが、たとえ紙幣や硬貨を使わなくても、価値をやりとりする仕組み=お金の役割は変わりません。
電子上の数字であっても、それに信用があり、他人が受け取ってくれるなら、それは“お金として機能している”ということになります。
■ お金を正しく理解することは「人生の土台をつくること」
お金の使い方や増やし方を学ぶ前に、この“お金の正体”を理解しておくことが大切です。
なぜなら、お金に対する誤解や偏見があると、
- 「お金は汚いものだ」
- 「お金がある人は悪いことをしている」
- 「お金なんて考えたくない」
といった感情に引っ張られて、正しく扱うことができなくなるからです。
まずは、お金は「道具」であり、「人生の選択肢を広げる力」だと知ること。
それが、お金の勉強を始める最初の一歩になります。
第2章|なぜ貯金が大切なのか?初心者が知っておきたい“お金を貯める目的”とコツ
お金の勉強を始めたばかりの方がまず取り組みやすいのが「貯金」です。
でも、なぜ貯金は必要なのでしょうか? 単に「将来が不安だから」だけでは、なかなか継続できないものです。
この章では、初心者が知っておくべき“貯金の本当の目的”と、具体的なコツについてわかりやすく解説します。
■ 貯金は「将来の安心をつくる行動」
貯金とは、お金をただ溜め込むことではありません。
本質的には、「将来起こりうるリスクに備える安心の準備」です。
たとえば、こんな場面で役立ちます:
- 病気やケガで仕事ができなくなったとき
- 家電や車など、大きな出費が突然必要になったとき
- 転職や引っ越し、結婚などのライフイベントに備えるとき
こうした“もしもの事態”に備えてお金が用意されていることで、精神的にもゆとりを持って対応できるのです。
■ 「節約」ではなく「未来に使う」と考える
「貯金=我慢」というイメージを持つ人は多いかもしれませんが、貯金の本質はむしろその逆。
“未来の自分に使うために、今は使わない”という前向きな行動です。
たとえば、「1年後に旅行を楽しむために、今は少しだけ節約する」や「突然のトラブルに備えて生活費3ヶ月分を確保しておく」など、明確な目的がある貯金はモチベーションも続きやすくなります。
■ 貯金には「3つの目的別タイプ」がある
初心者が貯金をする際は、目的によってお金を分けて管理すると効果的です。
① 生活防衛資金(緊急用)
→ 仕事や収入が一時的に止まっても生活できるように備える
→ 目安:生活費の3〜6ヶ月分
② 目的別貯金(短期目標)
→ 旅行・家電購入・プレゼントなど「近いうちに使う予定があるお金」
→ 期間:半年〜2年以内
③ 資産形成用(長期目標)
→ 老後資金・マイホーム・教育資金など、10年以上先を見据えた準備
→ つみたて投資などと併用も◎
■ 貯金は「習慣化」と「仕組み化」がカギ
貯金がうまくいかない最大の理由は、「余ったら貯めよう」と考えてしまうことです。
人間はどうしても「目の前の楽しみ」を優先してしまう傾向があります。
だからこそ、**収入が入ったら先に貯金する「先取り貯金」**をおすすめします。
- 毎月1,000円でもOK。無理のない金額からスタート
- 給与口座から貯金専用口座へ自動振替の設定をする
- スマホアプリ(例:マネーフォワード ME)で可視化する
こういった「強制的に貯まる仕組み」をつくることが、継続のコツです。
■ 貯金があると、選べる未来が増える
しっかりと貯金がある人は、人生の重要な選択肢で「安心して決断する力」が身につきます。
- 働き方を見直すタイミングを自分で選べる
- 家族の急な病気や介護に対応できる
- 自分の夢に挑戦する余裕が生まれる
貯金は、単なる「お金の保管」ではなく、「人生の自由度を高める力」そのものです。
第3章|投資はこわくない?初心者が知っておくべき“お金を増やす”基本と始め方
「投資ってこわそう…」「お金が減るかもしれないし、失敗したら怖い」
そんな不安から、投資を避けてきた人は少なくありません。
でも実は、投資=お金持ちがやる危険なギャンブルというのは大きな誤解です。
この章では、投資初心者でもわかるように、なぜ今“投資”が必要なのか、そしてどう始めれば安心して増やしていけるのかを丁寧に解説します。
■ 銀行に預けているだけではお金は増えない
昔は、銀行にお金を預けておくだけで、利息が年3%〜5%もついていた時代がありました。
しかし、今の普通預金の金利は年0.001%程度。100万円を1年間預けても、利息はわずか10円ほどしかつきません。
つまり、「貯金しているだけ」では、お金はほとんど増えないのが現代の現実です。
■ 物価が上がる=お金の価値が下がるという現実
さらにもう一つの問題が、「インフレ(物価の上昇)」です。
たとえば、30年前は自動販売機で100円で買えたジュースが、今では130円や150円になっています。
これは、同じ金額で買えるモノが少なくなる=お金の価値が下がっているということ。
つまり、何もせずに現金のまま持っていると、実質的には「お金が目減りしている」のと同じなのです。
■ 投資とは「お金に働いてもらうこと」
私たちはふつう、「自分が働いてお金を稼ぐ」ことに慣れています。
でも投資は、お金を働かせて、お金を生み出す仕組みをつくることです。
たとえば、毎月1万円を5%の利回りで投資したとすると、20年後には約400万円になる可能性があります(※複利効果による)。
これが「お金に働いてもらう」という考え方です。
■ 投資=ギャンブルではない!安全に育てる3つの原則
多くの人が「投資=損をする」「ギャンブルと同じ」と思っているのは、短期間で大儲けを狙う投機的な行動を見ているからです。
でも、長期・積立・分散という3つの基本を守れば、リスクを抑えながら安定的にお金を育てることができます。
✅ 長期
→ 少なくとも5〜10年スパンでお金を寝かせる
✅ 積立
→ 毎月決まった金額をコツコツと投資する
✅ 分散
→ 複数の企業・国・資産に分けて投資する
このスタイルは、金融庁も推奨している健全な資産形成の方法です(例:つみたてNISA)。
■ 初心者は「投資信託」から始めよう
初心者におすすめなのが、「投資信託(とうししんたく)」という金融商品です。
これは、自分のお金をプロの運用会社に預けて、いろんな企業や国に分けて投資してもらう仕組み。
少額(100円〜)から始められ、手間もかからず、リスク分散もできるので初心者に最適です。
つみたてNISAやiDeCoなどの制度を使えば、税金の優遇も受けながら効率的に資産形成ができます。
■ 投資を始める前に準備すべきこと
まずは以下のステップから始めてみましょう:
- 毎月「無理のない金額」で積立できる金額を決める(例:月3,000円〜)
- つみたてNISA口座をネット証券で開設する(楽天証券やSBI証券など)
- 初心者向けの投資信託(インデックス型)を選ぶ
- 毎月自動で積立設定を行い、“ほったらかし投資”にする
投資は、正しい知識と仕組みを知れば、誰にでもできる“未来の自分への準備”です。
第4章|お金を稼ぐとはどういうこと?初心者が知っておくべき“収入のしくみ”と考え方
お金を「貯める」や「増やす」ことも大切ですが、そもそも収入がなければお金は生まれません。
人生のあらゆる選択肢を広げてくれる「稼ぐ力」は、まさにお金の土台です。
この章では、お金を稼ぐとはどういうことか?初心者がまず知っておくべき基本的な収入の考え方を、わかりやすく解説します。
■ 労働収入=「自分の時間を売る」ことで得られるお金
現在の多くの人の主な収入源は、会社での給料やアルバイトなどの「労働収入」です。
これは、「自分の時間やスキルを提供する」ことでお金を得る働き方です。
たとえば、
- 1時間働いて1,000円もらえるアルバイト
- 1ヶ月働いて給与として20万円もらう会社員
これらはすべて、「時間をお金に換えている」収入モデルです。
しかしこの働き方には限界があります。
1日は24時間しかないため、「働いた時間以上には稼げない」という物理的な制約があるのです。
■ 収入には2種類ある|“働いて得る”と“働かずに得る”
お金を稼ぐ方法は、大きく次の2つに分けられます。
① 労働収入(アクティブインカム)
→ 働いた時間や労力に応じて得られる収入(例:給料、時給、業務委託)
② 資産収入(パッシブインカム)
→ 働かなくても継続的に得られる収入(例:投資の利益、不動産収入、著作権収入など)
「稼ぐ力」を伸ばすには、まずは労働収入で安定した基盤をつくり、少しずつ資産収入の仕組みを増やしていくのが理想的です。
■ 自分のスキルは“お金を生む資産”になる
お金を稼ぐ=特別な才能や資格が必要、と思っていませんか?
でも実は、誰もが持っている「得意なこと」「好きなこと」こそが、お金になるチャンスなのです。
たとえば、
- 料理が得意なら、レシピ販売や料理教室
- イラストが描けるなら、SNSや販売サイトで作品を公開
- ブログや文章が好きなら、ライター業やアフィリエイト収入
- パソコンが使えるなら、デザインやWeb制作の副業も
ネット社会では、スキルを収入に変えるチャンスが誰にでも開かれています。
最初は小さくても、「自分の力でお金を生み出す経験」は自信につながります。
■ 収入が増えると「人生の自由度」が広がる
収入が増えることの本当の価値は、「モノをたくさん買えること」ではありません。
それ以上に大きいのは、「人生の選択肢が増えること」です。
- やりたくない仕事を無理に続けなくてもいい
- 家族との時間を優先した働き方を選べる
- 新しいことに挑戦する資金的な余裕ができる
こうした「自分の意思で人生を選べる力」が、稼ぐ力の本質です。
終身雇用が当たり前だった時代は終わり、これからは「会社に依存しない働き方」が当たり前になっていきます。
副業解禁の流れや、フリーランス・起業などもどんどん一般化してきました。
だからこそ今から少しずつでいいので、「お金を自分の力で生み出す経験」を積み重ねていきましょう。
第5章|お金と上手に付き合うための3つの考え方|使い方で人生は変わる
ここまで、お金を「貯める」「増やす」「稼ぐ」という具体的な行動について解説してきました。
しかし、どれだけお金を持っていても、「お金の使い方」や「考え方」が未熟なままでは、本当の意味で人生を豊かにすることはできません。
この章では、初心者がまず身につけておくべき、お金との健全な付き合い方をするための3つの思考法をご紹介します。
① お金は「目的」ではなく「手段」だと理解する
お金を稼ぐことがゴールになっていませんか?
本来、お金は「やりたいことを実現するための手段」にすぎません。
- 家族との時間を大切にしたい
- 自分の好きな仕事で生きたい
- 心に余裕を持ちたい
- 社会の役に立つ活動がしたい
こうした“人生の目的”を実現するために、お金は必要なだけあればいいのです。
「お金を増やす=人生の選択肢を増やすこと」という視点を持つと、使い方や稼ぎ方が大きく変わってきます。
② 「欲しいもの」と「本当に必要なもの」を区別する
買い物をするとき、つい感情に流されてしまうことはありませんか?
- スマホを見ていたらつい衝動買い
- コンビニで予定外のスイーツを購入
- セールだからといって着ない服を買う
このような「感情消費」を減らすには、「それは今本当に必要か?」と一度立ち止まって考えるクセをつけることが大切です。
目安としては、「3日後にもう一度考えても欲しいと思えるかどうか」。
それだけで、無駄な出費が自然と減っていきます。
③ お金は「感情」で使わず、「目的」で使う
ストレスや不安、他人と比べる気持ちからお金を使ってしまうと、あとで後悔しやすくなります。
一方で、「目的」に沿ったお金の使い方は、人生を前向きにしてくれます。
たとえば:
- 成長のための自己投資(読書、スキル習得)
- 大切な人との時間(食事や旅行)
- 健康のための運動・睡眠・栄養
こうした「目的ある支出」は、お金を“消費”ではなく“投資”として使う考え方につながります。
まとめ|お金と向き合うことは「自分の人生と向き合うこと」
お金は単なる数字ではなく、あなたの価値観や人生観があらわれる“鏡”のような存在です。
だからこそ、しっかりと向き合い、正しく使うことで、人生そのものがより豊かになります。
これからお金の勉強を始める方は、「貯める」「増やす」「稼ぐ」といった技術的な部分だけでなく、「お金に対する考え方」もセットで身につけることを意識してみてください。
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