「会社を辞めたい…」と思ったときにやるべきこと|後悔しないための判断基準と準備法
「もう会社を辞めたい…」そんな気持ちになったことはありませんか?
朝起きた瞬間から気分が重く、会社のことを考えるだけで憂うつになる。
上司や同僚との人間関係、終わらない仕事、休日まで鳴るスマホの通知音。
「こんな働き方、もう限界かもしれない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
実は僕自身も、かつて同じように悩み、「もう明日にでも辞めてしまいたい」と思い詰めていた時期がありました。
だからこそ、いま会社を辞めようか悩んでいるあなたの気持ちは痛いほどよくわかります。
でも、勢いだけで辞めてしまうのは危険です。
なぜなら、辞めたあとの生活や再就職、手続きなどを何も準備していないと、
後悔する確率が高くなるからです。
この記事では、僕自身の退職経験と実際に学んだことをもとに、
- 会社を辞めるべきかどうかの【判断基準】
- 後悔しないために事前にしておくべき【準備のステップ】
- ハラスメントや人間関係の問題がある場合の【対処法】
について、実体験ベースでわかりやすくお伝えします。
「辞めたいけど、本当に今がそのときなのか分からない」
「辞めたあとに困らないように準備しておきたい」
そんな不安を抱えている方にとって、この記事が冷静な判断と行動のヒントになることを願っています。
第1章|「会社員」でいることのメリットを再確認しよう
辞めたい気持ちが高まっているときほど、「今の職場の悪い面」ばかりが目についてしまうものです。
でも、少し冷静になって考えてみてください。
会社員という立場には、実は多くのメリットがあります。
たとえば、以下のような点です。
- 毎月安定した収入がある
- 健康保険や厚生年金などの社会保障が手厚い
- 確定申告の手間がなく、税務処理が会社任せで済む
- 簡単には解雇されない法律上の保護がある
特に最後の「解雇されにくい」という点は、日本の労働法によりしっかり守られています。
会社が正社員を解雇するには合理的な理由と30日前の通告が必要であり、
「今日でクビだ!明日から来なくていい!」というような突然の解雇は原則として違法です。
言い換えれば、会社員は失敗してもやり直しがきく環境にあるということ。
ミスをしても、責任を取るのは会社であり、あなた個人がすべての責任を背負う必要はありません。
このように、安定した環境の中で毎月給与をもらいながら経験を積めることは、
将来的に転職や独立を目指す人にとっても大きな武器になります。
「会社員でいるのはつまらない」と感じる人もいるかもしれませんが、
守られた環境でこそできる挑戦があることを、まずは思い出してみてください。
第2章|会社を辞めるべきか迷ったときの判断基準とは?
「本当に今、辞めるべきなのか?」
この問いに、すぐ明確な答えを出せる人は少ないと思います。
辞めたい気持ちがある一方で、
「次の仕事が決まっていない」
「辞めた後の生活が不安」
「年齢的に再就職できるのか心配」
…といった葛藤もあるのが現実ですよね。
まずは、あなたの状況が「辞めてもいいとき」か「まだ踏みとどまるべきとき」かを見極めるための判断基準を確認してみましょう。
✅ 辞めてもいいケース
- すでに転職先が決まっている
- 心身の健康を著しく損なっている
- 職場の人間関係に修復の見込みがない
- 会社の将来性が明らかに不透明(経営危機など)
上記のような状況であれば、無理に続けるよりも、新しい環境へと踏み出すほうがあなたの人生にとってプラスになる可能性が高いです。
特にメンタルや体調を崩してしまっている場合は、回復に時間がかかるうえに、転職活動すらままならなくなることも。
「壊れてから」ではなく、「壊れる前」に離れることが大切です。
⚠ まだ踏みとどまるべきケース
- 転職先が決まっていない・方向性があいまい
- 貯金や生活資金の準備ができていない
- 勢いや感情だけで辞めようとしている
- 「起業したい」など漠然とした夢だけがある
特に「会社を辞めて独立したい」「フリーランスになりたい」といった夢がある人ほど、慎重に計画する必要があります。
というのも、会社員は会社の指示で働く立場なので、失敗しても責任は会社が負ってくれる。
でも、独立した途端、すべての結果が自己責任になるからです。
僕自身もフリーランスとして働く今、会社に守られていたありがたみを何度も痛感しました。
だからこそ、今すぐ辞めたい気持ちがあったとしても、「辞めることは最終手段」として考え、
準備と情報収集を怠らないことが、後悔しない選択につながります。
第3章|ハラスメントや人間関係がつらいときの対処法
会社を辞めたい理由として非常に多いのが、人間関係のストレスです。
上司の理不尽な態度、同僚との軋轢、無視や暴言といったハラスメント行為。
こうした職場環境に長く身を置いていると、心身ともに消耗し続けてしまいます。
特に、ハラスメントが続いている場合には、「耐える」ことが最善とは限りません。
むしろ放置していると、うつ症状や体調不良を引き起こし、
最終的に働けなくなるリスクすらあるのです。
✅ こんなときはすぐに動くべき
- 上司からのパワハラ・モラハラが常態化している
- 無視や嫌がらせなどで精神的に追い詰められている
- 毎朝、職場を思うだけで体調が悪くなる
- すでにメンタルクリニック等を受診している
▶ ハラスメントへの現実的な対処法
① 証拠を残す
録音・メール・メモなど、具体的な言動の記録をとることが大切です。
「〇月〇日、会議室で『お前は無能だ』と言われた」など、日時・場所・内容を具体的に残しましょう。
② 社内の相談窓口に相談する
大手企業であれば、人事部やコンプライアンス窓口があります。
守秘義務があるため、身バレせずに対応してもらえる場合も。
③ 外部の専門機関に相談する
社内で解決が難しい場合は、労働基準監督署や労働局の労働相談コーナーがおすすめです。
電話やメールでの相談が可能で、無料・匿名での問い合わせもできます。
⚠ 注意すべき点もある
たとえば、相手の発言が録音されていても、
あなた自身が感情的に言い返していた場合、ハラスメントとして認定されにくくなるケースもあります。
実際に僕のケースでは、社長から「お前は辞めろ」と言われた場面を録音していましたが、
僕が反論していたことで、「裁判にしても勝てるかどうか微妙」と弁護士の兄に言われたことがありました。
こうしたこともあるため、早めに第三者へ相談し、冷静に対処法を整理することが重要です。
あなたが心身を削ってまで会社に残る必要はありません。
辞めるかどうかを判断する前に、まずは今いる環境が“安全かどうか”を見極めることが、
本当の意味での“自分を守る行動”になります。
第4章|僕が実際に退職を決断したときにやった準備とは?
ここまでお読みいただいたあなたは、
「辞めるのが怖いわけじゃない。でも、辞めたあとが不安なんだ」
と感じているかもしれません。
その気持ち、よくわかります。
僕自身も過去に、職場の人間関係やハラスメントが原因で退職しました。
ですが、その決断の裏にはしっかりとした準備と覚悟がありました。
✅ 違和感は入社時からあった
実は、入社してすぐの段階で「この会社、何かおかしいな」と感じることがありました。
職場の空気、上司の態度、社員たちの口調や噂話…。
当初は「気のせいかな」と流していましたが、1年ほど経つ頃には組織の問題が明確になり、
「この環境に長くいてはいけない」と確信しました。
✅ 弁護士の兄に相談し、退職への備えを開始
僕は当時、兄が弁護士だったこともあり、状況をすべて相談しました。
そこで言われたのが、「いつでも辞められるように、証拠と制度の知識を集めておけ」という言葉です。
具体的に僕が行った準備は以下のとおりです:
▶ 実際にやった“辞める前の準備”
- 上司や社長の発言を録音する
→ 退職勧奨やパワハラ的な言動をボイスレコーダーで記録 - 退職時の制度を調べる
→ 「自己都合」と「会社都合」では失業手当の受給タイミングが違う
→ 「退職勧奨」が録音できていれば会社都合扱いの可能性もある - 傷病手当や雇用保険などの制度を確認
→ 働けなくなった場合の収入補填制度について事前に理解 - 生活費のシミュレーションをする
→ 貯金で何ヶ月しのげるのか?失業手当が出るまでの期間も加味
退職を決意した直接のきっかけは、社長からの「お前はもう辞めてくれ」という発言。
これも録音していましたが、僕がその場で冷静さを欠いていたこともあり、
法的にはグレーな部分が残ってしまいました。
とはいえ、準備は万全だったので、迷わず退職を選び、
その後の生活にも大きな混乱なく対応できました。
辞めること自体が悪いわけではありません。
問題は、「準備をせずに辞めること」なのです。
会社の将来性や自分の健康に不安を感じているなら、
いまからでも遅くないので、準備だけは始めておきましょう。
第5章|感情的に辞める前に知っておきたいリスクと対策
「もう我慢の限界だ」「今すぐ辞めて楽になりたい」
会社に強いストレスを感じていると、そう思ってしまうのも無理はありません。
でも、感情だけで勢いよく退職してしまうのは非常に危険です。
あとから後悔しないためにも、事前に以下のようなリスクをしっかり把握しておきましょう。
✅ 退職前に知っておくべき主なリスク
① 収入が突然ゼロになる
退職したその日から、給与は当然入ってきません。
貯金がなければ、すぐに生活が苦しくなります。
② 失業手当がすぐに支給されない場合がある
自己都合退職だと、失業手当の支給開始まで約3ヶ月の待機期間があります。
※退職勧奨や会社都合退職に該当すれば待機なしで受給できる可能性も
③ 履歴書に傷がつく可能性がある
入社して1年未満など短期離職になると、面接で「なぜ辞めたのか?」を厳しく問われることがあります。
④ 精神的な不安から行動できなくなる
勢いで辞めたはいいものの、「何をすればいいか分からない…」と不安に押しつぶされる人も少なくありません。
▶ リスクを減らすためにできる準備
- 生活費を最低3ヶ月分は貯めておく
- 自己都合・会社都合による失業手当の違いを調べておく
- 傷病手当や求職者支援訓練など、活用できる制度を確認しておく
- ハローワークや転職エージェントに事前登録だけでもしておく
また、特に20〜30代の若い世代であれば、
「とにかく辞める前に相談すること」も非常に重要です。
- 大手企業なら → 人事部やコンプライアンス部門、社内ホットライン
- 中小企業なら → 労働基準監督署、労働局の相談窓口(電話OK・無料)
1人で抱え込まず、第三者に話すことで冷静な判断ができるようになることも多いです。
退職は、「今の自分を守るための前向きな選択」になることもあります。
ですがそれは、事前にしっかり準備と理解があってこそ。
「辞めてから考える」のではなく、
「辞める前に考え、動く」ことが、あなたの人生を守る最大の方法です。
まとめ|辞めてもいい。ただし、“自分を守る準備”だけは忘れずに
「もう無理」「明日こそ辞めてやる」
そんな思いで毎日を過ごしているあなたは、きっと限界に近いところまで頑張ってきたはずです。
会社を辞めたいと思うのは、甘えではありません。
むしろ、それだけ自分の心と体が悲鳴を上げている証拠です。
僕自身も会社を辞めた経験があります。
そのときに痛感したのは、
「辞めること」は悪くないけれど、「準備せずに辞めること」は大きなリスクになるという現実でした。
✅ 最後に伝えたい大切なこと
- 会社員には安定や法的な保護という“恵まれた立場”がある
- それでも、人間関係や将来性に不安があるなら辞めてもいい
- ただし、勢いではなく“戦略的に”辞める準備をしておくこと
- ハラスメントなど明らかに危険な職場からは、迷わず離れてOK
- 壊れてからでは遅い。壊れる前に“逃げる”のも立派な選択です
会社を辞めるかどうかを決める最終的な判断は、あなた自身にしかできません。
でも、もしこの記事があなたの背中を少しでも押すきっかけになったなら、
それはきっと「必要なタイミングで得られた気づき」なのだと思います。
どうか、あなたの心と体を最優先に。
そのうえで、納得のいく人生の選択をしていってください。