やりたいことが見つからない人へ|人生の方向性を見失ったときの対処法
「やりたいことがわからない」
「このままの人生でいいのか不安になる」
そんな悩みを抱えたまま、日々を過ごしていませんか?
やりたいことが明確な人を見ると、自分だけが取り残されているような気がして焦ってしまう。
でも実際は、多くの人が心のどこかで「このままでいいのかな」と迷いながら生きています。
かつての僕もそうでした。
夢も目標もなく、ただお金のために働く日々。
何かに打ち込めるわけでもなく、自分のやりたいことなんて見つかる気がしなかった。
SNSでは夢を語る人や成果を出している人が目につき、焦るばかりで、ますます自分がわからなくなっていきました。
この記事では、そんな“方向性を見失った状態”だった僕自身の実体験をもとに、
やりたいことが見つからないときに試してよかったこと、考え方の転換、
そして少しずつ前に進めるようになったプロセスをお伝えします。
「このままじゃいけない」と感じている人へ——小さなヒントが届きますように。
第1章|夢はあった。でも、現実に押しつぶされてしまった
僕にも、かつては「これをやりたい」と心から思える夢がありました。
それは、自分の居酒屋を開くこと。
料理が好きで、人にふるまって「おいしい」と言ってもらえることが、何より嬉しかったんです。
「いつか自分の店を持ちたい」
そう思っていたのに、現実は甘くありませんでした。
開業資金がまったく足りず、準備も知識もないまま、夢はどんどん遠のいていきました。
それでも当時は、「どうにかならないか」と調べたり、本を読んだりもしました。
でも、現実的な壁を前にして、気づけば夢を語ることすらやめていました。
そして気づけば、「夢よりお金が大事だよな」と自分に言い聞かせるようになっていたんです。
誰かに強制されたわけでもなく、自分で諦めたのに、心のどこかではずっと引っかかっていました。
「本当はもっとやれたんじゃないか」
「なにかできたかもしれないのに……」
そんな後悔が、ずっと心に残っていたんです。
第2章|お金のために働く毎日。でも心は空っぽだった
夢をあきらめた僕は、次にこう考えるようになりました。
「もう理想なんて言ってる場合じゃない。とにかく稼がなきゃ」
生活の不安、将来への焦り——そんな気持ちを埋めるために、手っ取り早くお金を稼ぐ方法を探すようになりました。
そこで始めたのが、副業です。
Amazon物販やブログ、ネットを使った稼ぎ方を実践してみました。
最初はワクワクしましたし、少しずつ収益も上がっていったので「これで人生変えられるかも」と希望もありました。
でも、だんだんと気づいたんです。
“お金を稼ぐこと”だけが目的になると、心が満たされないってことに。
確かに収入は増えました。
でも、それに比例してモチベーションが上がることはなかった。
むしろ、「もっと稼がなきゃ」「効率を上げなきゃ」と、常に何かに追われているような感覚でした。
気づけば、毎日“こなすだけの作業”。
夢中になることもなければ、誰かに感謝されることもない。
ただ数字を追いかける毎日に、やりがいという感情は一切なかったんです。
この経験を通して、僕はひとつの大事なことに気づきました。
「お金=やりたいこと」ではない。
お金は大事。でも、お金“だけ”を目的にすると、心がどんどん置き去りになっていく。
そんな違和感を抱えながら過ごしていた僕が、次にどんなことをきっかけに変われたのか。
その答えは、思いがけないところにありました。
第3章|やりたいことは、“自分×誰か”の交差点にある
副業でお金は少し稼げるようになっても、どこか満たされない日々が続いていました。
「このままでいいのか?」という不安は、消えるどころかどんどん膨らんでいったんです。
そんなある日、ふと思い出したのが、過去に家族や友人に料理をふるまったときのことでした。
「おいしい!」「また作ってほしい!」
そう言ってもらえた瞬間、僕の中にじんわりとした喜びと充実感が広がったのを覚えています。
そのとき、気づいたんです。
やりたいことって、すごく特別なものじゃなくていい。
「自分の好きなこと × 誰かの喜び」
その重なる場所に、本当のやりがいがあるんじゃないか?
たとえば、料理が好きなら、家族に料理をつくってあげる。
自分では「大したことない」と思っていたことが、誰かにとっては嬉しいことになる。
そして「ありがとう」「おいしかったよ」と言われたとき、自分の存在価値がほんの少し実感できる。
お金をもらわなくても、人から喜ばれることで心が満たされることってあるんだなと、そのとき初めて気づきました。
やりたいことって、何か大きな夢や目標じゃなくてもいい。
むしろ、自分の中の“好き”が、誰かの役に立ったときに生まれる充実感こそが、本当の「やりたいこと」なのかもしれない。
そんな考えが、僕の人生の方向性を少しずつ変えていくきっかけになりました。
第4章|やりたいことがないときは、“人とのつながり”がヒントになる
「やりたいことが見つからない」
そう悩んでいる人の多くは、“自分の中だけ”で答えを探そうとしているのかもしれません。
僕もそうでした。
「何が向いてるんだろう」「自分には何ができるんだろう」
ずっと一人で考え続けて、気づけば堂々巡り。答えは出ないまま時間だけが過ぎていきました。
でもあるとき、思い切って外の世界と関わってみることにしたんです。
それが「ボランティア」でした。
たとえば——
- 地域の清掃活動に参加する
- 子ども食堂で料理の手伝いをする
- 高齢者施設でおしゃべり相手になる
最初は正直、「これで何かが変わるのかな?」と半信半疑でした。
でも、誰かと一緒に行動し、人に感謝されるという体験は、想像以上に心を動かしてくれました。
やりがいを感じたというよりも、
「自分にも誰かの役に立てることがあったんだ」
そんな自己肯定感の“芽”のようなものが生まれたんです。
大事なのは、最初から完璧なやりがいを求めすぎないこと。
何をしていいかわからないなら、まずは**“人とつながる場所”に身を置いてみること。**
そうすることで、やりたいことのヒントが見えてきたり、思いがけない方向に道が開けたりすることもあります。
一人で抱え込むのではなく、他人との関係の中にこそ、人生の方向性を見つけるヒントがある。
それが、僕の実感でした。
第5章|「過去の自分」を発信して気づいた、本当のやりがい
副業やボランティアを通じて、少しずつ「やりたいことって何だろう?」という問いの輪郭が見えてきた頃、
僕はひとつの行動を始めました。
それが、自分の過去を言葉にして発信することです。
使ったのは、noteという文章投稿サービス。
最初は、「ただの自己満足かもしれない」と思っていました。
でも、自分が悩んでいたこと、失敗したこと、人生の迷子だった頃のことを正直に書いていくうちに、読者から反応が届くようになったんです。
「すごく共感しました」
「自分も同じように悩んでいました」
「この言葉に救われました」
——そのとき、初めて実感しました。
「あぁ、自分の経験って、誰かの役に立てるんだ」
たとえ失敗や挫折だったとしても、それを正直に伝えることが、誰かにとっての“光”になることがある。
その瞬間、僕の中で“やりがい”のスイッチが入ったんです。
それは、「収入になるかどうか」とは別次元の話でした。
- 自分が夢中になってできること
- 自分の言葉が誰かの心に届くこと
- 感謝されること
この3つがそろったとき、初めて“やりたいこと”と呼べるものに出会えた気がしました。
自分の中にある「過去」や「経験」を発信する。
たったそれだけのことでも、誰かに届いたとき、そこに価値が生まれる。
それに気づけたことは、僕の人生にとって大きな転機でした。
第6章|やりたいことは“はじめからあるもの”じゃない
僕は長い間、「やりたいことは、最初からはっきりしているもの」だと思い込んでいました。
でも、今ならはっきり言えます。
やりたいことは、最初から明確にあるものではなく、
行動しながら“育っていく”ものだ。
最初のきっかけなんて、ほんの小さな興味でいい。
- 「なんとなく料理が好き」
- 「人の話を聞くのが苦じゃない」
- 「文章を書くのが嫌いじゃない」
そんな曖昧な“なんとなく”から始めていいんです。
それを自分なりに人のために使ってみる。
最初は手応えがなくても、繰り返すうちに少しずつ「誰かの役に立てているかも」という感覚が生まれてくる。
その瞬間こそが、やりたいことが“形になり始めたサイン”なのだと思います。
僕も最初は、ただ「過去を吐き出す」ように書いていただけ。
でも、それを読んだ誰かが喜んでくれて、「ありがとう」と言ってくれて、
そこから少しずつ「これを続けていきたい」と思うようになった。
つまり、やりたいことは、頭で考えるより先に、行動の中で見つかることが多いということです。
「やりたいことが見つからない」と思っていたあの頃の僕に、今ならこう言いたい。
「それは、まだ“出会ってない”だけなんだよ」と。
まとめ|“方向性を見失ったとき”こそ、小さな一歩を
「やりたいことが見つからない」
「自分には何もない気がする」
そう感じていたあの頃の僕は、未来への不安でいっぱいでした。
でも今、振り返って思うのは——
何も見えないときこそ、小さな一歩を踏み出すことが大切だったということ。
それは、大きな夢でなくてもいい。
- 料理をつくって家族にふるまう
- ボランティアに参加して人とつながる
- 自分の過去を言葉にして発信する
どれも「やりたいこと」には見えなかったけれど、行動するうちに誰かの笑顔や「ありがとう」に触れて、やりがいが芽生えていきました。
やりたいことは、探して見つかるものじゃなく、
“やってみる”ことで見えてくるもの。
そしてそれは、最初から完璧でなくていい。
ぼんやりしたままでも、仮でも、途中で変わっても大丈夫。
大切なのは、「どうせ何もできない」とあきらめずに、小さな一歩を踏み出してみることです。
今もし、あなたが人生の方向性に迷っているのなら、
無理に答えを出そうとしなくてもいい。
でも、ちょっとだけ勇気を出して動いてみてください。
その先に、きっと“あなたなりのやりたいこと”が見えてくるはずです。