退職を決断した40代男性のリアルな体験談|辞めて初めて気づいた“本当に大切なこと”

「もう限界かもしれない」「このまま働き続けていいのだろうか」
そんな気持ちを抱えながらも、なかなか会社を辞められずにいる方へ。

この記事では、40代で退職を決断した筆者の実体験をもとに、
辞めた日、そしてその後の変化をリアルに綴っています。

実際に退職を経験したからこそ言えること。
それは、辞めること=失敗ではないということです。
むしろ、自分の人生を見つめ直すための「再スタート」だったと、今では心から感じています。

この記事が、「辞めたいけど辞められない」「このまま働いていていいのか不安」
そう感じている方の、何かの参考になれば幸いです。


第1章:辞めたいのに辞められなかった日々

退職を考えるようになったのは、心身の不調がきっかけでした。

朝起きると、強い吐き気。
会社のことを思い出すだけで、体が重くなり、出勤することが苦痛になっていったんです。
それでも、「会社を辞めたら終わりだ」と思い込み、無理やり気持ちを押し殺して働き続けていました。

周囲には相談できませんでした。
同僚も上司も、みんな淡々と仕事をこなしているように見えたからです。
「自分だけが弱いのかもしれない」「もっと頑張らなきゃ」——
そんな自己否定の気持ちが、さらにボクを追い込んでいきました。

気づけば、欠勤や遅刻が増え、上司からの視線が怖くなっていました。
本当は、もう限界だと分かっていたのに、「辞めます」とはどうしても言えなかった。
家族や周囲の目、将来の不安が頭をよぎり、ただ時間だけが過ぎていったのです。


第2章:40歳で会社を辞めた日の記憶

その日は突然やってきました。

前日の夜、布団に入ってもまったく眠れず、
朝になっても体が動かない。
「今日は無理だ」と、心の中で静かに声が聞こえました。

何度もスマホを手に取っては、会社に連絡しようとするけれど、手が震えて押せない。
やがて、涙が溢れてきて、ボクはようやく気づきました。
「もう、限界だ」と。

午後になって、ようやく上司に電話をかけ、
震える声で「辞めさせてください」と伝えました。

その瞬間、肩の力がふっと抜け、張り詰めていた何かが崩れ落ちた感覚。
電話を切ったあとは、しばらくぼーっと天井を見つめながら過ごしました。
それでも、「これでよかったんだ」と、どこかで小さな安心感もあったのです。

退職という選択は、怖かったけれど、
“自分を守るために必要な行動”だったと、今でははっきり言えます。

第3章:退職後に襲ってきたのは「自由」ではなく「不安」だった

「会社を辞めたら、きっと心が軽くなる」
そう思っていたのに、実際に退職して感じたのは、解放感よりも圧倒的な不安でした。

朝起きても予定がない。
誰とも話すことなく1日が終わる。
収入がない現実に焦りながらも、どうすればいいか分からない。

SNSを見れば、同年代の友人たちは家庭を築き、仕事でも安定しているように見える。
「自分は何者にもなれていない」
そんな思いが強くなっていきました。

社会から取り残されたような孤独感と、
先の見えない日々に襲われて、心が押しつぶされそうになることもありました。

でも、そんなある日。
近所の本屋で何気なく手に取った一冊の本が、ボクの心に小さな火を灯しました。

誰かの苦しかった過去の話。
その文章に、自分を重ねている自分がいました。

「この人も、同じように悩んでいたんだ」
そう思えた瞬間、ほんの少しですが、気持ちが楽になったのを覚えています。

そして、ボクも自分の経験を“言葉”にして残してみようと思いました。
そこから、noteで文章を書き始めたり、少しずつ生活を整えていくようになりました。

・部屋を片づけてみる
・自炊を始めてみる
・散歩を日課にする

そんなささやかな行動が、少しずつ“自分の輪郭”を取り戻すきっかけになったのです。


第4章:40代で会社を辞めたからこそ見えた「自分の人生」

あの退職の日を、ボクは今、こう振り返ることができます。

「あの日がなかったら、今の自分は存在しない」

もちろん、今も不安がゼロになったわけではありません。
収入も安定していないし、先の見通しだって明るいとは言えない。
それでも、かつてのように“朝が来るのが怖い”という感覚はなくなりました。

自分の意思で毎日を選び、自分のために時間を使えるようになった。
それだけで、ボクの人生は大きく変わったのです。

いま、同じように仕事で悩み、
「辞めたいけど、辞める勇気が出ない」
そう感じている方に伝えたいことがあります。

「退職は、逃げではありません」

むしろ、自分を守るために必要な“行動”です。
我慢を続けて心と体を壊してしまうくらいなら、
一度立ち止まって、人生の舵を自分の手に戻すことが大切です。

退職を経て、ボクはようやく「自分の人生を生きている」と思えるようになりました。
それは、過去のボクが“あの日”勇気を出してくれたおかげです。

まとめ|退職は終わりではなく“自分を取り戻すはじまり”

退職を決断したあの日。
ボクは、自分の弱さに負けたような気がしていました。
「これで人生が終わるかもしれない」と、本気で思っていたほどです。

でも今振り返ってはっきりと言えます。
あの決断がなければ、今のボクはいなかった。

確かに、退職にはリスクも不安もつきものです。
収入の減少、人間関係の変化、社会的な立場への恐れ——。
それでも、自分を壊してまで続ける価値のある仕事なんて存在しません。

退職は「終わり」ではなく「再出発」。
自分の人生を、自分のペースで歩み直すための選択肢のひとつです。

今この記事を読んでいるあなたが、
もし毎朝つらい気持ちで目覚めているのなら、
そして「もう限界かもしれない」と感じているのなら——
どうか、自分を責めないでください。

勇気を出して一歩を踏み出したその先には、
きっと、あなた自身が本当に大切にしたい人生が待っています。

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