【体験談】会社に行きたくないのは甘えじゃない|朝が怖くなった日、心が限界だった話

「起きなきゃ。でも、起きられない」

会社員だったころ、ボクは毎朝この葛藤と戦っていました。
目覚ましの音は聞こえる。時間がないこともわかっている。でも、布団から体を起こすことができない。まるで自分の体じゃないみたいに、指一本動かすのも重たく感じてしまう。

最初は「疲れてるだけだ」と思っていました。
でもその“重さ”は日に日に増していき、ある日とうとう会社に行けなくなってしまったのです。

この記事では、仕事に行けなくなったボク自身の体験と、そこから少しずつ立ち直っていくまでの過程をお伝えします。


仕事がつらいのは、努力不足じゃなかった

学生時代、ボクは「頑張ればなんとかなる」という言葉を信じてきました。
部活もバイトも、努力と根性で乗り越えてきた。その延長で社会に出ても、同じようにやれば通用すると思っていたんです。

実際、新入社員のときは周りから「真面目だね」「責任感がある」と言われることもあり、自分でも「ちゃんとやれてる」と思っていました。

でも、社会人になって数年が経ち、仕事の責任が重くなるにつれて、知らず知らずのうちに心が摩耗していったんです。

  • 上司の言葉がプレッシャーに感じる
  • 休日も仕事のことが頭から離れない
  • ミスが怖くて必要以上に確認を繰り返す
  • 「もっと頑張らないと」と常に自分を追い立てていた

それでも、「みんな頑張ってるんだから、自分だけ逃げちゃいけない」と無理を続けていました。
そしてある日、心と体が同時にストップしてしまったのです。


心が壊れるときは「静かに」「じわじわ」とやってくる

「心が壊れる」って、雷が落ちるような衝撃的な出来事があるわけじゃないんです。

むしろ、静かに、気づかないうちに、じわじわとやってくる。

毎日の小さな違和感を「大丈夫」と見過ごしてしまうことの積み重ね。
本当は助けてほしいのに、「弱音を吐いたら迷惑になる」と思って誰にも相談できず、自分の中にすべてを押し込めてしまう。

心が限界を迎えるころには、「自分が壊れてること」すらわからなくなっていました。


周囲の視線が怖かった。「ただのサボり」と思われていないか?

勇気を振り絞って会社を休んだものの、その直後から「別の苦しみ」が襲ってきました。

それは「他人の目」が怖くなるということ。

  • 「アイツ、また休んでるよ」
  • 「やる気ないんじゃないの?」
  • 「結局、メンタル弱いだけだよね」

こんな噂話が聞こえてくるたび、胸が締めつけられるような気持ちになりました。

特に辛かったのは、家族にすら「怠けてるように見える」と言われたことです。
身近な人に理解されないことで、「やっぱり自分がダメなんだ」とさらに自己否定が強まりました。


本当に怖かったのは、「このまま一生立ち直れないかもしれない」という不安

会社を休んで家にいたとき、時間だけはたっぷりありました。
でもその時間を「休養」に使うことができなかった。

何もしていない自分に、ものすごい罪悪感を感じるからです。
SNSでは友人たちが仕事を頑張っている姿や、家族を養っている姿が流れてくる。

「自分は何をしているんだろう」
「こんな自分に、生きてる価値あるのか?」

そんなふうに思い始めると、外に出るのも怖くなりました。
玄関のドアを開けるだけで、心臓がバクバクして、呼吸が浅くなる。
夜になると涙が止まらず、何もないのに過呼吸になることもありました。


心療内科でかけられた言葉が、人生を変えた

それでも「このままでは本当に終わる」と思い、勇気を出して心療内科を受診しました。

診察室に入ったときの緊張感は今でも忘れません。
うまく話せるか不安でしたが、先生はじっくりと話を聞いてくれました。

ボクの話を聞き終わった先生が言った一言。

「あなたは“うつ病”です。甘えではありません」

この言葉に、心がふっと軽くなりました。
誰かに「あなたは病気なんだ」と“正しく”認識してもらえたことで、自分をようやく許せた気がしました。


少しずつ「生き直す」日々が始まった

休職期間中、最初のうちはほとんど何もできませんでした。
でも医師の勧めで「10分だけ散歩する」「太陽の光を浴びる」といった、小さな行動から始めました。

そのうち、少しずつ「気分が落ち着く時間」が増えていきました。

  • 好きだった本を読む
  • 昔よく聴いていた音楽を流す
  • 紙に思っていることを吐き出す

「今、自分が生きている」と感じられる瞬間が、だんだんと戻ってきたんです。


「働き方」を見直したら、自分に合う仕事が見えてきた

ボクはその後、会社を退職しました。
周囲から見たら「逃げた」と思うかもしれません。

でも、あのまま続けていたら、本当に自分を壊していたと思います。

退職してからは、いろんな働き方を模索しました。
短時間のパートから始めて、やがてフリーランスの道へ。自分のペースで仕事ができる今の生活は、精神的にもとても安定しています。

「組織で働くこと=正解」ではない。
いろんな選択肢があることを知ることで、気持ちがずいぶんラクになりました。


自分を責めるより、まず「休む勇気」を持ってほしい

もし、今この記事を読んでいるあなたが「朝が怖い」「仕事がつらい」と感じているなら——

どうか、それを“自分のせい”だと決めつけないでください。
疲れたときに休むのは、人間として当たり前のことです。

あなたは何も悪くない。
心と体が、必死に「休んで」と訴えているだけなんです。


まとめ|限界まで頑張らない。自分を守る選択肢は、あなたにもある

社会では「甘えるな」「逃げるな」といった言葉がいまだに強く残っています。
でも、そんな言葉に縛られて心や体を壊してしまったら、元も子もありません。

ボクは「逃げた」ことで、人生を立て直すことができました。
そして今、こうして発信できるほどに回復しました。

限界が来る前に、どうか「逃げる」「休む」という選択をしてほしい。
それは“敗北”なんかじゃなくて、“再出発”の第一歩です。

あなたの心が壊れてしまう前に。
あなた自身の幸せを、どうか一番に考えてください。

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