【体験談】うつ病になったきっかけと限界を迎えた日のこと|頑張りすぎたあなたへ
「最近、なぜか心がしんどい…」「朝起きるのがつらい…」
そう感じたことはありませんか?
私は40代の普通の会社員でした。特別ストレスの多い職場だったわけではありません。家族と暮らし、休日には趣味もある、そんな“普通”の生活を送っていたはずでした。
それでも、私はある日、心が限界を迎えてしまいました。
そして、心療内科で「うつ病」と診断されたのです。
この記事では、私がうつ病になったきっかけ、そして限界を迎えた当日の出来事をできる限りリアルに綴っていきます。
同じように苦しんでいる方、もしくはその予兆に気づきながらも行動できずにいる方へ、少しでも参考になれば幸いです。
違和感の始まり:最初のサインは「ただの疲れ」だと思っていた

うつ病の始まりは、派手なものではありません。
むしろ、「ただの疲れかな?」と思うような、ささいな変化から始まりました。
- 朝起きられない日が増える
- 通勤電車で涙が出そうになる
- 好きだった音楽がうるさく感じる
- 食欲がなく、夜眠れない日が続く
そんな日々が、数週間、数ヶ月と続いていきました。
でも当時の私は、「ちょっと疲れてるだけ」と自分に言い聞かせてやり過ごしていました。むしろ「まだ頑張れる」とさえ思っていたのです。
今思えば、それが心の悲鳴だったのに、見て見ぬふりをしていたんですね。
仕事への違和感と孤独感:誰にも言えなかった苦しみ
私の職場は、昔ながらの上下関係が厳しい会社でした。
仕事を頼まれたら断れない雰囲気、長時間残業が“美徳”とされるような空気。
そんな中で、私は「評価されたい」「迷惑をかけたくない」という思いから、無理を重ねていきました。
頼まれた仕事はすべて引き受ける。
失敗しないように、夜遅くまで準備する。
休みの日もスマホで仕事のことを考える。
一見「責任感のある社員」として周囲からの信頼は得ていたかもしれません。
でもその裏で、自分の心と体を削っていることに気づけなかったのです。
上司や同僚に「つらい」と打ち明けることもできず、孤独感だけが心の中で大きくなっていきました。
限界を迎えた日:玄関の前で動けなくなった

その日は、特別な出来事があったわけではありません。
むしろ「今日は少し余裕があるかも」と思っていた朝でした。
でも、スーツに袖を通し、ネクタイを締めた瞬間——突然、異変が起きたのです。
心臓がバクバクと音を立て、手が震え、息が苦しくなる。
視界が狭くなり、頭の中が真っ白になる。
玄関のドアの前で、体がピタリと止まりました。
足が地面に張り付いたように動かず、汗が吹き出し、涙がボロボロこぼれました。
そのまま私は、靴も履かずに布団に戻り、一日中泣き続けました。
スマホで会社に連絡しようとしても、手が震えて操作できない。
「もうだめだ」「これ以上は無理だ」と、心の中で何度もつぶやいていました。
心療内科を受診してうつ病と診断された日

数日間、何もできないまま過ごした後、ようやく心療内科に行く決心をしました。
正直なところ、「精神科に行くなんて恥ずかしい」と思っていました。
でも、もう自分の力だけではどうにもならないことは、あの朝でよくわかっていたのです。
診察室で症状を話すと、医師から言われた言葉はこうでした。
「これはうつ病ですね。しばらく休養が必要です」
その瞬間、涙が止まらなくなりました。
「やっぱり怠けていたんじゃなかったんだ」
「病気だったんだ」と、初めて自分を許せた気がしました。
うつ病の本当の原因は「頑張りすぎ」だった
うつ病の原因は、特別なトラブルではありませんでした。
何かひどいことがあったわけでも、人生が急に崩壊したわけでもない。
ただ、長い時間をかけて、静かに心が削られていったのです。
- 「いい人」でいようとしすぎた
- 他人の期待に応えようとしすぎた
- 頼まれごとを断れなかった
- 「弱音は甘え」だと信じ込んでいた
こうした“正しさ”が、私自身を追い詰めていったのです。
回復までの道のりと今の心のあり方

診断後、しばらくの間は仕事を休職しました。
何もできない日々が続き、ベッドから起き上がるのもつらい日がありました。
でも、少しずつ、少しずつ——
・散歩に出て、日光を浴びる
・好きだった音楽をまた聴いてみる
・カフェでコーヒーを飲んでみる
そんな「小さな行動」が回復への第一歩となりました。
時間はかかりました。
でも、今の私は、「頑張りすぎない自分」を少しずつ受け入れられるようになっています。
同じように苦しんでいるあなたへ伝えたいこと
最後に、この記事を読んでくれているあなたへ。
もしかしたら、今まさに限界が近いと感じているかもしれません。
あるいは、「これは甘えじゃないか」「もっと頑張らないと」と、自分を責めているかもしれません。
でも、どうか忘れないでください。
限界を迎える前に、立ち止まることは“逃げ”ではありません。
あなたの心と体は、あなたにしか守れないのです。
うつ病は誰にでも起こりうる病気です。
恥ずかしいことでも、怠けでもありません。
どうか、自分を責めず、優しくしてください。
そして、必要なら専門家の力を借りてください。
まとめ:心の違和感を無視しないで
- うつ病の前兆は、「ちょっとした違和感」から始まる
- 頑張り屋の人ほど、限界に気づくのが遅れる
- 誰かに助けを求めるのは“弱さ”ではない
- うつ病は回復できるし、自分を取り戻すチャンスにもなる
この記事が、あなたやあなたの大切な人の“心を守るきっかけ”になれば、こんなに嬉しいことはありません。